以前、太陽光発電について太陽光発電とは?という記事を公開しました。
そこではソーラーパネルについて一通りの説明をおこなっていましたが、もう少し一般的なものについて説明したほうがより伝わりやすいと感じ、今回はソーラーカーを題材としてその仕組みについて説明します。

ソーラーカーはソーラーパネルを電源として電気モーターで走る自動車です。
ソーラーカーの歴史としては1955年にシカゴで開催されたゼネラルモーターズ社によるイベントで、セレン光電池(鉄とセレンの境界面に光をあてると光起電力を生じる現象を利用した光電池)から発電される電力で走行する全長約40cmの模型自動車の走行が実演されたのがはじまりだとされています。
そこからソーラーカーの開発が世界に広がったのは1987年にワールド・ソーラー・チャレンジが開催されてからです。
このレースは世界中のソーラーカーレースの最高峰として注目を集め、最先端の技術が導入され、各国のチームがしのぎを削る舞台へと発展し、現在に至りました。

しかしながらソーラーカーは現在でも一般人が乗れるようなほど実用化されるには至っていません。
その理由として、一つは量産車では燃費が悪くなることが挙げられます。
レース用のソーラーカーであれば走行することに特化しており、軽量化できるのですが、量産車では安全のための装備で車体が重くなるため燃費が悪くなりがちです。
もう一つの理由として、価格と発電量が割に合わないことが挙げられます。
例えば2017年から製造・販売されている、とある車では、ルーフパネルをソーラーパネルに変更できるオプションが用意されていますが、その価格は約30万円にもなります。
ソーラーパネルを日中の間ずっと充電させたとしても蓄えられる電気は最大で1kWhで、これは走行距離で言うとわずか6km分です。
これでは導入費用と発電量が見合いません。
このような理由からソーラーカーは実用化から遠ざかっています。

さて、ソーラーカーは前述のように人が乗って走ることができる自動車を指しますが、よくおもちゃ屋で売られている下の画像のような模型もソーラーカーと呼びます。
今回はより身近なこちらのソーラーカーを例にその仕組みを説明します。

このソーラーカーは大まかにソーラーパネルとモーターとギアとホイールで構成されています。
ソーラーパネルは以前の記事でも説明しましたが、ソーラーパネルが複数枚つながったもので光電効果を利用して発電を行います。
ソーラーパネルはこの光電効果によりプラス側とマイナス側の間に電位差が生まれます。
そのため、モーターをソーラーパネルに接続することで電流が流れ、モーターが回転します。
そしてその電流によりモーターが回転します。
軸にはギアが取り付けられており、ギアが回ることでホイールについているギアを回すことになり結果としてホイールが回ります。
そしてソーラーカーを走行させることができるのです。

今季はソーラーカーの仕組みを説明しました。図と文章が中心の説明になりましたが理解を深められたでしょうか?
おもちゃ屋に行けばソーラーカーが購入できるので、皆さんも是非遊んでみましょう!